アイノウタ~呪われたラブソング~





私の幸せは私のもので、誰かに強制されるものでも、誰かに取り上げられるものでもないはずだ。




『シネシネシネ…!』



まるで、録音された声が再生されるかのように、同じ言葉が、同じ抑揚で続けられる。




「梨沙…」




私に縛られているかのように、死んだ時の姿のままで、変わることなく、私の傍に居て、同じ言葉を繰り返す梨沙。




きっと、これもアイノウタのせいだ。




他の女も、梨沙ほどの主張は無いものの、シネ、という言葉を繰り返す。




呪いは、呪われた人の数によって拡大した。







あれ?




今、梨沙が見えるようになって、見えるようになった女達を見渡して思ったけど…。



男の人が、一人もいない。




そんなはずはないのに。



翔吾も、アイノウタを知っていて、きっと翔吾だって呪われてしまうはず。



男の人も、呪いの被害にあっているはずなのに。



なんで、男の人がいないんだろう。




それは、些細な疑問で、気にする必要もないことかもしれない。


呪いに、関係のないことかもしれない。



ただ、オカルト主人も呪われて、死んだように、男の人が呪われないわけはない。


なら、ここにいないはずがないのだ。