肌を刺す、冷たい水が体を包み込む。
「がふっ!」
一瞬地上に出た口が、水と一緒に二酸化炭素を吐き出す。
「げほっ!」
苦しい。
口の中に広がる水と、肺には届かない酸素。
まともな判断を奪って、思考が冷えて行く。
苦しい苦しい。
手が意味もなく水を掻いて、何も掴めないことに落胆する。
服が吸った水が重くて、思うように動けない。
上へ上へと、本能は酸素を求めるのに、それを邪魔してふくらはぎを掴む得体の知れない何か、が下へと引きずる。
コポコポと、上に向かって上る、私の吐いた空気の塊が、視界の端に写った。

