ばいばい、と手を振って、病院を出た。
今日は、深月さんにも会わなかった。
バスに乗って、帰路につく。
真っ暗な景色によって、鏡のように私を写す窓ガラス。
「…っ!ひゃぁ!」
ぼんやりと眺めていた私は、椅子から飛び降りた。
「…お客さん、どうしました?」
若い運転手が、赤信号で車を止め、怪訝そうな顔をして振り返る。
「な、なんでもありません…すいません」
客はやっぱり私しか乗っていないから、他の人の迷惑にはならないですんだ。
窓に写っていたのは、笑う梨沙とアイ。
それから、無残な死に方をした女達。
そのうちの一人が、私の首に手を回していた。
まるで、首を締めようとしているかのように。

