ゴンッ!
頭に鈍痛を感じて、目が覚めた。
「うっ⁈」
頭頂部をさすりながら目を覚ますと、いつも通りの部屋。
どうやら、アレは全部夢だったらしい。
「あぁ…良かった…」
ホッと胸を撫で下ろして、ふと、手が目に入った。
正確には、指先が。
指先は、少し赤く腫れていて、ジンジンと痺れている。
「え…?」
その指は、落ちないようにと、フェンスを掴んだ手。
「嘘でしょ…⁈」
よく見れば、足首には手形が付いていて、確かそこは、女が縋り付いていた足。
アレは、夢のはずで、夢ならば、現実の身体には何の影響も無いはずで…
半ばパニックになりながら、考える。