死にたくない。



死にたくない。



例え、誰かを犠牲にしても。



私は



私だけは、



助かりたい。




そう思うのは、いけないコト?



真っ暗な闇の中で、浮遊感を感じる。



下からの空気抵抗を受けつつも落ちていく身体。



感覚だけは、現実のようだ。



でも、これが現実な訳が無い。



私は、アイに呪われる理由もないのだから。



そう言えば…深月さんや、翔吾が見ていたのは、梨沙、だったのかな?




アイ以外に、私の後ろにいるとしたら、梨沙ぐらいなんじゃない?




現実逃避をするように、落ちていく自分のことではなく、違うことを考える。




それでも、恐怖を感じることに変わりはなくて、どこまでも落ちていく中で、意識もまた、堕ちていった。