聞くことは出来ないまま、バスは目的の場所に着き、私はお金を払って降りる。




何が見えたにしろ、この先もそれを後ろに引き連れたまま、生きて行かなくちゃならない。



怖くても、仕方ない。



死にたくない。



アイを引き剥がす方法なんて、無いんだ。



だから、


アイノウタを聞かず、後ろにアイを引き連れて、


生きてゆく。



アイは、引き剥がせない。


…引き剥がせない?



本当に?



私の元から、去ってはくれないの?



待って。



待って待って。



一つだけ、あるじゃない。



方法が。



私からアイを引き剥がす、方法が。