運転手の額には、冷や汗が伝い、気まずそうに目を逸らされる。
その後、喋りかけられることは無かった。
やっぱり、私の後ろには何かいるのだろう。
アイ以外の何かが。
だって、アイが見えたのなら…
2人でお見舞いか、なんて聞くはずがない。
どう見ても、生きてるはずのない幽霊だから。
なら、アイ以外で、何が見えてるの?
聞けそうにはない。
運転手は、真っ直ぐに前を向いて、こちらを見ようとはしないし、話しかけられそうな雰囲気でもない。
怖い。
得体の知れない何かが、後ろにいる恐怖。
私には見えないそれは、周りの人に見えている。
何が見えるの⁈
何がいるの⁈
今すぐに問い詰めたくて仕方ないのに、周りの反応が怖くて、知りたくない気もする。