アイノウタ~呪われたラブソング~




翔吾のお見舞いのつもりで来たのに、大分時間が掛かってしまった。



外に出れば、すっかり暗くなっていて、湿った空気が冷気を含み、少し肌寒かった。



バス停でバスを待ち、いつも通り誰もいないバスに乗る。



誰もいないのがたまたまなのか、私がいない時もそうなのか…。





「お客さん、2人でお見舞いですか?」





運転手の近くに座ると、今までは話しかけられたことも無いのに、運転手が話しかけてくる。



「はい、お見舞いです。_____え?2人で?私、1人ですけど…?」



運転手は、前から視線を外さないよう、後ろはハンドルの左上に取り付けられたミラーで確認している。



私からは、ミラーは見えない。



ミラーに、何か写っている…?



「あの…?」




返事は返って来ない。




そして、バスが赤信号で止まって、ようやく運転手は後ろを向いた。



その顔は、引きつった笑顔。



「すいませんねぇ。少し、疲れてしまってるようで。気の所為でしたよ」