しばらく喋り、私は帰ることにした。
「じゃ、また来るね」
「あぁ、気を付けて帰れよ。あと、アイに気を付けろ」
「へ?」
気を付けて帰れは、見送る側が言って当然のこと。
アイに気を付けろは、どういうこと?
アイノウタを聞かせてこようとするぐらいで、他は何もしてこないのに。
「いいから」
「…うん」
翔吾の眉間のしわは深くなるばかりで、緩むことはなかった。
半ば翔吾の剣幕に押されて、頷く。
病室を出たところで、深月さんが立っていた。
「深月さん、今日は帰りますね」
「えぇ、またいらっしゃい。…あっ、ねぇ、美紅ちゃん。一つだけ、聞いていいかしら」
「…?いいですけど」

