アイノウタ~呪われたラブソング~




話が長くなりそうだと思った私は、病院内にある喫茶店に深月さんを誘った。



席について、深月さんはコーヒー、私はアイスティーを頼み、来た頃に話すことにした。



やがて、ウエイターが二人分の飲み物をテーブルにコンと置き、一口飲んだ。



私は、話し始めた。



梨沙が、アイノウタのCDを持ってきた日のことから、調べて分かったこと、そして、今日あったことを。




すべてを聞き終えた深月さんは、まさかこんなオカルトちっくなことを言われるとは思っていなかったらしく、動揺してる。



「信じるわ、とは……断言できない。でも、梨沙ちゃんのことは知ってるわ。あの子が、まさか人殺しなんて出来る子じゃないってことも知ってる」





だから、こちらでもアイノウタを調べてみるわね____



そう言って、深月さんは私に頭を下げた。



「ありがとう、美紅ちゃん」





ありがとう、教えてくれて。



ありがとう、話してくれて。



ありがとう、嘘を付かないでくれて。



全てが、そのありがとうの一言に込められているような気がした。



「頭を上げて下さい。それと、深月さん。さっきも言ったんですけど、アイノウタを知った人には、何としてでもアイノウタを聞かせようとしてきます。気をつけて下さい」



私の言葉に、深月さんはしっかりと頷いた。


その顔は、守るものがはっきりしている、母の顔だった。