深月さんに案内されて、集中治療室の入り口に立った。
「命に別状はないそうなのだけれど、まだ目覚めない。手術をしたばかりよ。背中の傷は、残るそう。ねぇ、美紅ちゃん。知ってることを、教えてくれないかしら」
悲しそうな目で深く、死んだように眠る翔吾を見つめ、私に尋ねてくる。
「知っていることなんて、ほとんどありません。それでも、いいですか?後、絶対にこの話を、信じてくれますか___?」
梨沙の死。
翔吾の傷。
梨沙の豹変。
全ては、アイノウタに繋がっている。
もしも、他人に聞かれたのなら、呪いなんて信じられないものは話したりしない。
でも、相手は翔吾の母親。
ならば、知っていることは全て話すべきだ。
それなら、全ての始まりとも言えるアイノウタのことを言わなければならない。
深月さんは、私をジッと見つめ、やがて決心が付いたように口を開いた。
「美紅ちゃんが、本当のことを言ってくれるというのなら、隠し事をしないというのなら、わたしはそれを信じます」

