鏡に映っていたのは、紛れもない。



あの女。




アイノウタも、呪いも、まだ終わってない。



梨沙は死んだ…翔吾は怪我をした。



なのに、まだ、続くと言うの?



『キイテ……キイテ……アイノウタ……キイテ……』




ブツブツと呟く。



確か、アイノウタは知った時点で女に憑かれる。


そして、聴いてしまえば女の姿は見えなくなり、男の姿が見えるようになる。



翔吾ではなく、私の方に来たのは…翔吾が、まだ起きていないから、とか?



冷静な思考を持っていられるのは、きっと…あれだけのものを見てきたからだ。




目の前で死んだ友達を、梨沙を見たからだ。



今は、感覚がまだ麻痺してるみたい。




女が怖いのに、そこまで怖いと思えない。



私は、掛け湯をして風呂から上がった。


脱衣所には、新品のワンピースと、新しい下着。



手早く見につけて、髪を乾かした。