血の付いた服を脱いで、風呂場に入る。
髪の色が暗いから、血もあまり目立たない。
取れたのかどうかも分からないまま、何度も何度も髪を洗う。
脳裏にリピートされるのは、力無く床に倒れて行った翔吾の姿と、笑いながら自分を殺した梨沙の姿。
なんで。
なんで?
なんでよ。
どうして。
あの頃には
もう
戻れないの?
「なんでだよッ!」
片っ端から、シャンプーやリンスのボトルを地面に放った。
「ふ、ふっぐ…うぅ……うぁ…」
漏れてきた嗚咽を殺しながらも、殺しきれない嗚咽は漏れる。
『死』なんて、身近なものじゃない。
でも、それほど早くに…実感できるものでもない。

