その後、一通り色々と聞かれ…本当に色々と聞かれた。
事件と全く関係のないはずの趣味や、習い事なんかも聞かれた。
「じゃあ、後は…安井さんについて知ってることを教えて欲しい」
と言われた。
「梨沙は、優しくて好奇心旺盛。強引で、わがままです」
それが、梨沙の性格。
「ありがとう。もう、いいよ」
やっと、尋問に似た質問は終わり、解放される。
教室を出るとき、ふと頭をよぎったことを言うことにした。
「あの…」
「何?何か思い出した?」
「関係ないのかもしれませんが…『アイノウタ』を…調べてもらえませんか?」
「……事件と関係のないものは調べられないんでね。ごめんね、嬢ちゃん」
返事は予想していた通りだったから、特に何も思わなかった。
呪いなんて、誰も信じてはくれない。
「失礼しました」
軽くお辞儀をして、部屋を出た。

