「分かった。分かった。悪かった。」
そう言って私の後頭部に手を回して抱きしめてくれた廉也君。
「ほんとに、辛かったんだから……」
「はいはい。ごめんごめん……」
私の頭を大きな手でポンポンと叩いて
なだめてくれる廉也君はまるで私の親みたい。
「そ、それじゃ、私は帰るわね?廉也。」
「おう。」
そう言って菜々実さんは帰って行った。
私は菜々実さんに顔向けできなくて廉也君の腕に抱きしめられたままだった。
「あぁ。足大丈夫か?」
「痛い……」
「だろうな……ちょっと我慢しろよ?」
そう言って私の体をヒョイっと持ち上げお姫様抱っこ状態。
私のさっきまでの不安な気持ちは一気に吹っ飛んで行った。



