「どっち向いてんだよ。」



そう言って命令する彼は1年生にして
バスケ部レギュラーの神城廉也君。



「あのね、神城君、私あなたに命令されるようなことは……」



「何?俺に逆らう気か?」


「……っ」



私、西田香琳高校2年生は後輩君に逆らえません……



「ふっ。お前、俺の事名前で呼べって言ってんだろ?」



「やだ……」



「香琳。なんで?俺お前の彼氏だよね?」




ドキンッ




いつも私の事をお前って呼ぶくせに
不意に“香琳”なんて呼ぶから
顔が赤くなる。




「そ、そうだけど……」




私たちが付き合ったのはつい最近。



1か月前だったかな?


10月に告白された。