With 〜十字架と白薔薇〜







「莉緒奈ちゃんって、あの莉緒奈!?」





私は諦めて、
耳を隠していた手を降ろした。





「白薔薇の女王だ。」





その言葉に、
バレちゃったねっと
呑気に笑う菜々。





「華凛の総長の莉緒奈って、君のことなんだねー!!」





そういって私の肩をガシッと掴む。





「触らないで。」





私は響って人の手首を
思いっきり掴んだ。





すると、すんなり肩から手を引いてくれた。





「華凛の総長だけあるよね。
腕っぷしが違う。」





「どうも。」





多分、さっき手首を掴んだ時にすごくイカツイ顔しちゃったなと思い、とっさに満面の笑みに切り替える。





いくら輝蓮の前だとは言え、
さっきから私らしくない。





人を無視したり、
目を合わせなかったり。





笑えてなかった。





それもこれも、
この性悪がいるからなんだけど。