「へ?」 あたしは頭を傾げた。いきなりそんなことを言われて少し驚いた。 「初めて合ったときさ、あたし池内のことが好きみたいなこと言ってたじゃん?」 あたしはこの間のことをふと思い出す。 「そのとき池内と由良ちゃんがつき合ってること知らなかったから…あんな無神経な態度とってごめん」 馨さんは悪くないよ。 知らないのは当たり前だし、そりゃ先生を好きな人ぐらいいるわけだし… 「その日ね…池内に会いに行ったんだ。」 きっと五月さんとみたあの光景だろう。あたしはただ黙って馨さんの話を聞く