あたしは何故かそれを手伝ってしまった
「先生って何で先生なの?」
なんて聞いてしまった
「そりゃあ先生になりたかったからだよ。
最初はな、体育の先生になりたかったんだけど
俺こう見えて運動音痴なんだよな」
苦笑いしながら答える池内先生
陸上部の顧問の癖に運動音痴だなんて、
「最初見た時、体育の教師かなあなんて思いましたよ。ぱっと見」
「よく言われるんだよなー、体育超スキなんだけど、できなきゃ意味ねーんだよなあ」
ケラケラと笑う横顔をあたしはただ見つめていた
「ホラホラ、サボるな丸をどんどんつけろ、
あ、適当につけんなよ。あとでチェックするからな」
適当につけんなよとか言われても
あたしはそれどころじゃなかった、
あまりにも自分が先生のことばっかりみてたから
信じられなかった
あたしは漢字をとりあえず丸つけを終わった
なのに担任がまだ戻ってこない
「あのー池内先生?長野先生は?まだなんですかー」
あたしはプクーと顔を膨らませ
デザインを描いているスケッチブックを胸に抱く

