でも直輝の顔は強張っていた。 「やっぱり動かないんだね」 医者がそう言いながら病室に入ってきた。 私は何が何だか分からなかった。 だから私は医者に聞いた。 「何が動かないんですか?」 「直輝さんはあの事故で脊髄を損傷して 足がうごかないんだよ」 「え……。治りますよね?…」 私は恐る恐る聞いてみた。 本当は聞きたくなかった。 治らないって言われるのが恐かったから。