「ごめん。
本当にごめんな。

俺、自分のことしか考えてなかった。」


航平はギュッと私を抱きしめた。
強く、強く。

少し痛いくらいに。


「もう、いいよ?
だから、そんな顔しないで?」


そんな辛そうに、悔しそうな顔しないでよ…。



「あのね?航平…」

「なに?」

私も少しワガママになってもいいかな?


「私、もっと航平とデートしたいな。

試合が近い時は、少し話すだけでいい。
少し顔が見られるだけでいい。

私より部活が大事でもいいよ?

だけど一緒にいるときは、部活のことよりも私のことを見てほしいな」

「うん。
俺、部活より優香のほうが大事だよ。」

「え?」