それから、航平が1人暮らしをしているマンションに連れていかれた。
「なんで助けてくれたの?部活じゃなかったの?」
ポンと目の前におかれた温かいココアを見ながら話す。
「あの電話聞いてさ。俺、後悔したんだ。
なんで部活を優先したんだろう?って。
今まで優香はさ、俺が部活優先にしても怒らなかったじゃん?
だけどさ、部活の先輩に“もしお前が彼女と逆の立場だったらどう思う?”
って聞かれて
もし逆だったら、すげー悲しいなって思った。
もしかして、優香もこんな気持ちだったのかな?って。」
「うん。」
そうだよ。
ずっと辛かった。
ずっと悲しかった。
本当は、私を1番にしてほしかった。
「謝らなきゃダメだって思って。
それで、部活抜けて来たら
優香が他の男に連れていかれそうになってて。
無意識であの2人を殴ってた。」

