北河の日課は、結衣の病室を訪れること

仕事が早く終わった日

休日

どうしても彼女に話を聞いてほしい時

そして何かの記念日

自然と足はあの国道沿いの病院に向く

もちろん途中でスズランを買うことを忘れずに

今の自分を結衣が見たら、確実に怒られるだろうと思う

「もう!何してんの!!私ばっかりにかまってられないでしょ!!」

そういって怒る結衣の顔が浮かんでくるようで、よく一人苦笑している

だから結衣が戻ってきたときに「そうでもないよ」というために休日でもちゃんと外に出ることを心がけている

彼女がいれば何気なく過ぎていく時間なのにと思いながら

大切なものはどうしてその瞬間にはわからないのだろうと

意味もなく後悔しながら