朝起きれば、傷害事件やら殺人事件のニュース。
それはいつも変わらなくて、
今日も興味がない1日が始まる。
お決まりの制服を身に包んで学校へと向かうんだ。
「おはよ!葵」
「おはよう」
永峰 葵。それが私の名前。
都内の高校2年生だ。
変わらない毎日は、ここからスタートする。
安定の仲良しメンバー。受験に向けての勉強。
盛り上がる恋の話。女子の愚痴や嫉妬の醜い感情。
全てが“昨日”と変わらない。
そんな日常が私は嫌い。つまらない。
「葵!あの問題とけた?」
「あぁ、うん。一応ね」
「さすが葵!ごめん、見してもらってもいい?」
この流れも当たり前。
すごいね。さすがだね。
そんな言葉欲しいんじゃないの。
その偽りの笑顔が、私は嫌い。
本当の自分を出せない私も嫌い。
この世界に魅力なんてこれっぽっちも感じない。