君のイナイ季節

まるで。

寝ているようにしか見えない拓海くん。

私はその側にずっといた。

「あれ?どうしたの?」

って笑って起き出しそうで。

私はどこかでそれを待っている。



病院から家に連れて帰って来て。

みんなバタバタと忙しいのに。

拓海くんのお父さんが

「じゃあ、真由ちゃんに線香の番を頼もうかな」

と、そう言って。

私が拓海くんの傍にいる事が出来るようにしてくれた。

私の横には弟の祥太郎くんが。

ずっと無言で拓海くんを見つめていた。