君のイナイ季節

「店長!」

パパが叫んだ先には拓海くんによく似たおじさんがいた。

「おお!平野さん!
来てくれたんですね」

笑顔で出迎えてくれた。

「娘さんも一緒ですか」

私は慌てて頭を下げた。

拓海くんのお父さんはニコッと笑って

「今、走行してますよ。今回もかなり調子がいいみたいです」

私がそこから見たマシンは想像以上のスピードで通り過ぎていった。



何、あの速さ。

あんなの、見たことないんだけど。



拓海くんの乗る、青色のバイクは太陽の光を一身に浴びて、キラキラと輝いていた。