君のイナイ季節

「真由ちゃん、あのっ!」

体育祭が始まる前に、拓海くんに声をかけられたけど、避けてしまった。



体育祭なんて、もういいや。

玉入れだけをして、後は後ろの木陰で座っていよう。



なんて、思っていたのに。

今日、たまたま休みの子の代わりに借り物競争に出た拓海くん。



「真由ちゃん!!」

人込みの向こうから叫んでいる。



…もう、いいし。

「真由!柏原が呼んでるよ!!」

かれんは私を見て叫ぶ。



ごめん、無理。

私は下を向いた。