君のイナイ季節

家に帰っても電話も無視。

ママも電話の向こうの拓海くんに何度も謝ってくれた。

拓海くんは悪くないのに。

そんな弱い、嫌な部分を見せたくなくて。

つい、当たってしまった…



『ごめん』


その一声で済むのに。

言えない。



でも。

前に拓海くんは

『僕だけを見ていて』

って言った。

じゃあ、拓海くんも。

私だけを見ていて。



なんて。

嫌な女だ、私。



そんなモヤモヤの中。

体育祭の朝がやって来た。