いつからだろう?本気で笑えなくなったのは

拓実「お前ら、座れ」

ここは幹部室

下っ端の奴らが来ることはまずない

黒で統一された殺風景な部屋

桜木美優は1人用ソファーに座り、足を組んでいる


相変わらず殺気はハンパない


拓実「俺らが聞きたいのは1つだ」

「私の用も1つだけよ。どーせ、私が闇虎の総長ってことぐらいもう知ってるでしょ?」ニコッ


こんな状況でも笑顔を続ける桜木美優にはさすがにゾクッとする


拓実「お前の用ってのはこれだろ」

俺は持っていたウイッグをわざと見えるように持つ

「そうよ。汚い手でさわらないでくれる?できれば1人一発づつ殴らせてくれたらサイコーなんだけど」

拓実「そんなことさせるわけねーだろ」

「でしょうね」

拓実「これは返さねえよ」

桜木美優の眉が一瞬動いた


「どうしたら返してくれる?それないと学校へ行けない」

拓実「俺らの質問に答えろ」


「答えられる範囲でなら」


さて……
桜木美優は俺の質問に答えるか…???

この質問は桜木美優のためではなく


来夜のためだった




来夜を救えるのは





闇虎の総長





つまり





桜木美優しかいないんだ