晴海「ここよ」

着いたのは小高い丘
そこからは海が見える

拓実「この先か?」

晴海「えぇ。ここからはあなた1人で行ってね」

拓実「あぁ」


俺は丘を登っていった

すると2つの墓が見えた
そしてその下には

1人の女が手を合わせていた


俺はその女を立ち止まってしばらく見ていた

その女はしばらくすると立ち上がり、俺の方を向いて


ニコッ

不適に笑った


「来ると思っていたわ」

その聞き慣れた通る声が俺の耳へ入ってきた 


拓実「戻ってこいよ」


俺とその女の距離は約30メートル


「私はね、あなたたちの事がキライなの」


俺はなにも言えなかった

嘘だとわかっていたから


拓実「何に怯えてるんだ?俺たちを頼ってくれよ…」


「ありがとう。本当にありがとう…」


そうして女は俺とは反対の方を向いた

女の先は海


もう一度女は振り返って


「大好きだったよ、拓実」


今まで見たことがないくらいの
可愛らしい
誇らしい
でもか弱い


ステキな笑顔だった




次の瞬間
俺の視界からその人は消えた