だから一人で頑張らなくていいのよって璃乃さんに言って貰えて……………涙出るくらい嬉しかった。
「じゃ後は任せて。お疲れ様♪」
「すいません。お疲れ様でした」
ナースステーションを出ると、廊下には壁にもたれて立ってる龍くん。と、その隣りには既に帰り支度の、龍くんが入院してたころどうしても担当を交換して欲しいと頼まれ替わった同期のナース、青柳真奈美さんの姿。
ファーのコートに胸元が大きく開いた白いモヘアのニット。胸元があらわになっている。それにホットパンツにヒールが高いブーツ。
艶のあるストレートの髪に口の左下にあるほくろがセクシーな美人さん。
でも……大きなお世話だけど、病院にはちょっと似つかわしくないスタイルじゃないかしら。
なんだろ、なんか龍くん機嫌悪そう。私のことやっぱり怒ってるのかな……
それでも私の姿を見つけると、いつもの笑顔をくれた。
「お疲れ、南ちゃん。帰ろっか♪」
壁から離れてこちらに近付いて来ようとした龍くんの動きが一瞬止まる。なに?
よく見ると真奈美さんが龍くんのブレザーの袖を掴んでいる。
「私のほうが……………同じ歳だし………ヤれるよ」
-ヤれる?何を?-
その言葉に対してあからさまに嫌そうな顔をして振り返り真奈美さんに何か言ってる。ここからじゃ所々聞き取れない。
「…………いらない。困ってねぇし…………南…………」
なんか私のこと言ってるみたい。
なんか手持ちぶさたというかすることないから………………
クルッと踵を返し歩き出す。
「待ってよ」


