ひょっこり顔を出した白衣のナース。手にはボードやら血圧計やら色々抱えて大変そう。でもニコニコ顔で…………なんかいい。





「具合はどう?」







聞き覚えがある声色。一瞬考えて……ようやく誰だかわかった。




「………あぁ、お姉さん看護婦さんだったんだ」






こうやって改めて見ると白衣の天使って言葉はこの人の為にあるんじゃないかって……本気で思った。
穏やかで優しい、人をホッとさせる雰囲気。






-マジでいいなこの人……-





血圧測る間も何だかドキドキして落ち着かなくて。測り直されたくらい。









でも………








見舞いに来てくれたクラスメートの口から、あの人はこの中の水谷光(ライト)の彼女だって聞いた時はショックだった。






どうりであっさり学校にも親にも連絡取れた訳だよな。

平気そうな顔してたけど………
好きになるかも…そう感じてただけに、正直凹んだ。運命感じてたから…

クラスメート達が来てくれた事は嬉しかったけど、段々血の気が引くのがわかった。
貧血?失恋くらいで?俺って相当ヘタレだったんだ………



-少し横になりたい……-





そう思った時だった。




-コンコン-






みんな一斉に戸の方を振り返る。明らかにあの看護婦である事を期待してる。





ドアが開いてびっくり。勤務時間が終わったからか違う看護婦。

しかも……




凄い巨漢の看護婦がそこに立っていた。背こそ俺たちより小さいけど横幅は……白衣がはち切れそう。



「面会終わりですよ~。患者さん休ませてくださいね~」





そう言ってにこっと微笑む。




それを見たアイツらの引きつった顔。後退りしながら「じゃあな!」ってそそくさ帰って行きやがった。





でもこの時はまだ知らない。俺の運命の糸は違うところに繋がっていたんだ―――