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《もうすぐ終わるので待ち合わせしてランチしない?》




「送信……っと」




長い長い勤務がようやく終わってナースステーション。いそいそとライトにメールを打つ。





「何、璃乃さん彼氏?」




一緒に夜勤開けの同僚がニヤニヤ覗き込む。


「ええ。久しぶりにランチに誘ってみたんだけど……」
「羨ましいわ~。でも昼休み終わっちゃうんじゃないの?もう一時なるよ」
「いや、会社員じゃないから」
「え?自営?」
「いや~アハハ……」





ヤバいヤバい。彼氏が高校生だってバレたら餌食だわ。
うちのナース達は噂が大好き。知られたら一瞬で広まっちゃう。




「こら、そこの二人。勤務終わったならさっさと帰る!」



怖い顔して婦長が睨んでるよ~。厳しい事で有名で整理整頓、報告連絡が徹底されていないと叱られる。ずぼらな私はしょっちゅうお叱りを受けてる。
でも怒ると般若みたいな婦長も普段はパキパキ仕事をこなす優秀な看護師なの。そして凄い美人。年下の旦那さんで、高校生の子供がいるんだって。全然そうは見えない、若いし。



「はい、日報と引継ぎしたら帰ります」
「頼むわよ。早く帰って寝なさい。あなた達に体調崩されたら困るんだから」
「は~い」







-PRRR~♪-





《学校午前中で終わったからOKだよ。二時に駅前で》






《よかった。着いたらメールするね》






返信を済ませると、さっさと残りの雑務を済ませ着替えて病院を後にする。
昨日の朝振りにライトに会う。嬉しくて思わず早歩きなんかしちゃって…………







普段はほとんど外で会わない。家の中でまったりが定番。でも今日はお給料入ったし、あんまり会えてない埋め合わせに、美味しい物でもご馳走しようと思って。







ちょうど来た電車に飛び乗って二つ向こうの駅を目指す。