六歳の歳の差が刃物のように胸に突き刺さる……今更なのはわかってる。
でも………今から六年後のライトはグッと素敵さが増してるだろう。大学でもきっと女の子達が放っておかないくらいに。ライトと同じ夢を目指す同じラインに立ってる素敵な娘達。

でも私は?自分の姿を想像すると怖くてしかたない。
いつ捨てられる?来年?再来年?それとも…………










「アキノ………やっぱおかしいよ?疲れたのか?」





ハッと気付くと頭の上にライトの手が乗ってる。あ、頭撫でてくれてたんだ。気付かなかった…………






「帰ろ」
「まだ大丈夫だよ?……」





さっさと立ち上がってレジに向かうライト。慌てて後を追う。






「私払うから」
「いい」
「だっておこずかい減らしちゃうよ?」







ライトの動きが止まった。あ、何か今のキツかった。また傷つけちゃった?
でもしっかりお財布出してお会計を済ませる。




「ん………」






差し出された手を握ったけど……こっちを見てくれない。怒っちゃってるよ。
そういうつもりで言ったんじゃないけど、あなたは働いてないから…そう取られても仕方ない。
とぼとぼライトの半歩後ろをついて行く。何も言ってくれない。




「俺さ……」





ぽつりと呟く。その声に反応してライトの顔を見上げる。眩しくて表情がよくわからない。







「アキノの夜勤に合わせて夜バイトしてんだ。だから自分で稼いだ金。心配いらない」
「バイト?」








そんなの知らなかった。






「私………聞いてないよ」
「ごめん。内緒で金貯めたかったから」






バツ悪そうに帽子をかぶり直してる。
相談してくれなかったのはショックだけど…ライトのプライベートに干渉するのは気が引ける。