「どうしたの?らしくないね。いつもクールなのに…」






何気ない私の一言。
急に抱き締められていた手が解ける。






「きゃあっ!何!?」




次の瞬間、凄い勢いで天地が逆になった。足が床から離れ、今度は床に敷いてあったベージュのマットが目の前に迫る。






「ちょっ……ライト!?下ろして…なんなの?…………わっ」







何も言わないライトに寝室に連れて行かれ、ベッドの上に放り出された。






「痛た…………」
「クールじゃない」
「え?」






仰向けになった私の上に覆い被さって、両手の自由を奪う。長い前髪の間から覗く瞳は今にも泣きだしそう。







「クールなんかじゃない。みんなそうやってイメージ作くるけど、本当は我が儘で自己中で独占欲の塊だ。自分でも驚くくらい嫉妬深いんだよ?アキノの事誰にも見せないで俺だけのものにしたいってずっと思ってる。だから…アキノまでそんな事言わないで?」






掠れる声。そのまま私の首筋に顔を埋めるライト。あまりにも痛々しいその訴えに私まで泣きそう。






周りのみんなで勝手にイメージ作って押しつけて……かく言う私もライトの本質を見抜けなかった。傷つけちゃったんだ……





「ごめんね。もう言わない………」







懺悔の気持ちでフワフワの髪の毛を撫でてあげる。ライトがしてくれるみたいにぎゅ~って抱き締めてあげる。





「でもライトが実はとっても甘えっこで、すぐ拗ねて感情的になること……私知ってたから。そういうのも全部引っ括めて私はライトが好きだよ?」






そっと耳元で囁いてみる。




「そんなに心配しなくても大丈夫。あんな事ライトのお友達だって私がライトの彼女だからお世辞で言ってるんだよ」
「は?」
「だって忘れてると思うけど、私両天秤にかけられてあっさりポイされるようなつまんない女なんだよ?」