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翌日、トムの話だと龍弥は虫垂炎、つまりは盲腸だったらしい。すぐに手術だったけど、一週間位で退院できるそうで。






今日は土曜日で学校も早く終わったから、野郎四人とトムの車で龍弥の見舞いに向かってる。



「なぁ、例の彼女見れる?」
「あ~………昼で上がるって言ってたからわかんねぇ」

「彼女……可愛いの?」
「なっ……当たり前だろっ!なにお前らまで馬鹿にすんの?」

「しないしない!ナースなんて永遠の憧れっすよ♪」

「言っておくけど!23だからって馬鹿にすんなよな。小さくて細いくせに出るとこ出てて括れてて…いい匂いなんだからなっ!」
「うっわ…マニアック!」






なんで俺こんな事力説してんだろ……。つうかあんだけ可愛いんだからアキノに惚れる奴絶対いる!手ぇ出した奴コロス……






「……………楽しみだな」
「はぁっ!?」






そう呟いたのはトム。冗談じゃない。コイツが一番危ない。この彼女無しの飢えた狼め…………






「ほら着いたぞ~」





本来の目的は龍弥の見舞いなのに、なんかアキノの値踏みに来たみたいになってるよ……複雑。会わせたくない。




「水谷、売店でなんか買って来いよ」
「俺ぇ?」




トムの奴まだ根に持ってるのかやたらこき使いやがる。











急いで人数分ジュースを買って(後に請求予定)、受付で龍弥の病室を聞くとエレベーターで上に上がる。
一足先に行った奴等に廊下で追いついたけど……なんかやたら色めきだってねぇ?ヤな予感………





「何してんの?」
「今、病室聞いてたんだけどさぁ」
「なぁ、あのナース超可愛くね?ニコニコ愛想良くてさ。お前の彼女とどっち可愛い?」



隙間から見えるにこっと微笑む白衣の天使……………溜め息。



それは案の定、俺の天使じゃねーか!