そして、 またしばらくすると、 もう一人の弟も、 弱まった。 「だめ!まだいかないで!」 「だめ!まだ連れていかないで!」 そう言いながら、 弟を抱きしめた。 弟は、 それに答えるように、 微かにだが、 声を出していた。 「お姉ちゃんでしょ?」 「泣かないでよ」 「大丈夫だから」 「置いていかないから」 そう語るように、 目を見つめていた。