「このお嬢さんの身内の方ですか?」


息をはずませて近寄るその男性に丁が声をかけその横で事態を知り駆けつけた壬衣が心配そうに見守る。



「お嬢様――っ!!
大丈夫でございますかー??

後藤でございますよー!!

お気を確かにっ――!!」



蒼白した表情で俺の腕の中の女子学生に懸命に声をかけ続ける。


……後藤さん???我が耳を疑いその人物に目を見張る。


「丙お兄ちゃま……。
ひとまず保健室へ……!!」


壬衣にけしかけられて保健室に彼女を運びつつも突然現れた黒い瞳の勝ち気な雲雀と後藤さんの事ばかり気がかりでならなかった。