そしてお互い見つめ合い、笑う。
それが嬉しすぎて、幸せすぎて。
――――中学三年生の時に塾の先生から言われた言葉を思い出す。
けど、私にはその言葉は関係ないと思う。
だって私と風太はもう幼なじみじゃないから。
幼なじみは終わりにしたから。
もし別れる日が来るならば、その後も幼なじみじゃないと思う。
その後は今の幸せを共有したもの同士になるだけだから。
だからもうあの時の言葉は忘れよう。
そう心に決めた。
額をくっつけたまま目が合うと、照れてお互い笑ってしまう。
風太、私は風太の笑顔が大好きだよ。
その笑顔を見るだけで安心するし、胸がキュンとする。
それは前と変わらない。
今はそれに足して、嬉しいんだ。
好きな人が隣で笑っていることがすごくすごく嬉しい。
風太が幸せに笑っていることが嬉しい。
笑うって小さなことだけど、私にはとっても大きなことだと感じる。
だからね、隣で笑っててほしいんだ。
私の隣じゃなくてもいい。
他の人を選んだとしても笑ってて。
そしたら私は風太を好きでいて良かったと思えるから。
風太が幸せだと分かるから。
だからお願い
『笑ってください』

