「変態……」
私がそう言うと風太が頬を膨らませて拗ねたように怒る。
その顔が可愛くてちょっと可笑しいけど
「仕方ないだろ。俺だって男子だし。でもずっと一緒にいたいと思ったのは朱里だけだから」
……まただ。
なんでそんな恥ずかしいことをさらりと言えてしまうのだろう。
好きだとか、一緒にいたいだとか、私には恥ずかしさの極みだ。
「一緒にいたいとか、なんかそれ、ぷぷぷぷぷぷプロポーズ、みたいだよ」
プロポーズの単語さえ風太の前では思うように言えない。
恥ずかしい。
自分でプロポーズみたいだとか言うのってやっぱ自意識過剰ぽいじゃん。
でも真剣に言ってくれる姿を見てると、そういう風に聞こえてしまったのだから仕方ない。
「ならプロポーズだと受け取ってもらってもいい」
「!?」
「きっと本当にプロポーズを言う相手は朱里だから」
「そそそそそそそんなことない!」
きっと私の顔は生きてきた中で史上最高に赤い。
だって顔がすごく熱い。
ジュッて何か焼けそうなくらい。
「そんなことある。ずっと一緒にいたい。朱里は、ずっと一緒に俺といてくれる?」
私の顔をのぞき込むように見る。
ひいいいい!
今私の顔を見ないでほしい!
絶対顔赤いしきっと驚きすぎて不細工になってる。
顔が少しでも隠れるようにマフラーに埋める。
「い、一緒に、」
一言なのにそれさえも上手く言えない。
その一言がすごく恥ずかしい。
あの時の、付き合っちゃう?って言った時の自分カムバック。
「…一緒にいたい、です……」
ああもう顔から火が出そうだ。

