コウくんの笑顔を思い出して、軽くニヤニヤしていると、すごく焦った顔で私の肩を掴んできた。
急で驚いて思わず硬直する。
「そいつの連絡先教えろ!今すぐにでも殴ってやりたい!」
………んん?
連絡先?
しかも殴る?
「ご、ごめん、なんか風太勘違いしてるみたい」
「は?」
「だってコウくん、まだ三才だよ?」
三才なのにケータイ持ってるわけない。
きっと風太はコウくんは三才児だと思ってなくて、ある程度成長した人だと思っている。
思い返せば私コウくんの年齢を言ってなかった気がする。
「はあ~……」
空気が抜けたようなため息を吐きながらその場にしゃがみ込む。
…………さっきから風太の行動が全く読めない。
真面目になったり、焦ったり、急にしゃがみ込んだり。
さっきから風太は忙しすぎる。
「風太、どうした?」
風太の肩を触ろうと手を近づけると、手首を掴まれてしまった。
そして私を見上げるように言った。
「朱里が好きすぎて困る」
ぴたっと動きが止まる。
まるで呼吸も止まったかのように、私の全身が動かなくなった。

