………これは遊ばれているのか?



鵜野山先生の顔は俺の顔に近くにあり、目を逸らして下を見るとやけに強調された谷間が視界に入る。





「居場所ってなんですか?」

「そうね、私の相談相手になってくれることかな?色々と」




‘色々と’


強調されて言われたその言葉にはきっと男女の関係も含んでいるのだろう。


なんとなくそう感じ取る。



でもさすがに男女の関係はまずい。


だって俺と鵜野山先生は生徒と先生なのだから。





「俺には無理ですよ」

「なんで?福井くんって色んな子と遊んでいるんでしょう?ならそのうちの一人でもいいじゃない」

「別に遊んではいません。というかどこでそんな情報……」

「ふふふ。女の子達が言ってたわ。福井くんは色んな女の子と関係を持ってるって」




どうやらあることないこと噂にされ女子の中で流れているみたいだ。


確かに人よりは多く女子と付き合ったりはしたけれど、それが悪く噂され、噂好きの女子の中で転がっている。



女子ってコエー。





「というかこんな体勢見られたらやばいですよ」

「大丈夫よ窓はカーテンを閉めて外から見えないし、第一、もう授業始まっているもの」



横目でちらりと時計を見ると時計の針は授業開始時間をとっくに過ぎている。



つーかこの人養護だからとは言っても一応先生だろ?

普通は教室に帰すだろ。授業始まったなら。




「他にもう言いたいことはない?」




濃くもなく、薄過ぎもない赤い唇が動くのが目に入る。