「私昔からなかなか友達とか、仲が良い人が出来ないのよ。
男にはよくモテたけどみんな遊び。女はそんな私をひがんでか、私の悪口を言ったり遠ざけていたわ。私も友達とか作る気にならなかったから独りでいることが当たり前。
だからこんな話をしたのは福井くんだけよ」



悲しい顔もせず、怒った顔もせず、無表情に言った鵜野山先生。




「可哀想な人だと思った?」




ふふっとまた鵜野山先生は笑う。


俺は全く笑えないけど。




「可哀想だとは思っていません」

「そう?」

「はい。ただ悲しい人だな、と思いました」

「……」




眉をひそめ、鵜野山先生は俺のことを何を言ってるのこの子、みたいな目で見る。


だって悲しい人だろ絶対。




「相談出来る人もいなくて、泣いたって誰も助けてくれない。自分を犠牲にすることしか出来ないなんて悲しいじゃないですか」



俺だったら誰かに相談したい。
泣いても拭ってくれる人がほしい。
助けてほしい。


でも鵜野山先生にはそんな人がいない。

それって悲しくないか?




「………なら」




ゆっくりと口を開き、鵜野山先生が艶めかしく俺の首に手を回した。


そして色っぽく笑った。





「私の居場所になってくれる?」