「朱里、テストどうだった?」
最後の期末テストが返ってきた後、夏葉が私の席に来た。
夏葉の表情から読み取ると、夏葉は今回も点数は良かったらしい。
「うーん、なかなか?」
私はといったら、普段受験勉強をしているせいか、受験科目はなかなか良い点数だった。
他はまあまあだけど。
「そっかそっか」
なんだかやけに上機嫌な夏葉。
夏葉も明後日からの冬休み楽しみなのかな。
んー、いや受験生だから休みは休みであっても休みではない。
毎日勉強だ。
きっと冬休みが楽しみなのではないと思う。
…………あ、クリスマスだ。
確か、今年は年上の彼氏と一緒に過ごすとか言ってたな。
もうすぐクリスマスだし、きっとそう。
(私はクリスマスも塾だけど、ね)
それは少しツラいけど、仕方ない。今回だけだ。頑張ろう。
「朱里今日用事ある?」
「あー……」
夏葉からの質問に少しどもる。
「あーはいはい。今日も風太くんと帰るのね」
「ご、ごめん。それに今日は塾もあるし」
「毎日毎日大変ね。なら私は帰るわ」
そう言って夏葉は自分の席に戻って行く。
夏葉には本当に申し訳ない。
三学期になったら夏葉と帰れるよう風太にお願いしよう………