風太の整った顔ゆえか、誰にも渡したくないと思う女子が多かった。なんせ競争率は高いから。
だから付き合う度に女子が束縛するようになった。
でも風太は縛りつけが嫌いだからすぐに別れる。
だから遊び人という枠組みに入るのには時間はかからなかった。
本当は違うのに―――
「あーさみー。じゃあ俺、もう部屋に入るから」
「あっそ。私も入るわ」
まだ夕飯食べてないからお腹すいてるし。
ガチャリ、柵を開けて家のドアを開けようとした時だった。
「あ!ちょい待って」
そう言って風太は部屋に入って行った。
待ってって…
何それ。ちょっと気になっちゃうじゃん。
待つこと数分。
風太がベランダに再び戻ってきた。
「遅い!」
「悪かったって。すぐに見つからなかったんだよ」
「え?」
すると風太は何かを私に投げる。
とっさにそれを取ろうと少しもたついたが、なんとか上手く取れた。
「あはは!ナイスキャッチ!」
「危ないよ!」
予告無しに投げるなよバーカ。
「じゃあなー」
ひらひらと手を振り今度こそ部屋の中へ入る。
私は風太が投げた物を見ようと手のひらを開いた。
それを見て心が温かくなる。
風太のバーカ。

