――――――……





「んんー」




腕と背中をのばしてみれば、固まっていた筋肉がほぐれたような気がする。



窓から外を見るともう辺りはオレンジ色に染まっていた。


時計の針は勉強を始めた時から8時間後の場所にある。

結構集中して勉強していたらしい。




私は明日から始まる期末テストのために今日だけ、テスト勉強をしていた。


普段は受験勉強をしたいから、1日で詰め込むっていう魂胆。



一通り範囲は終わらせたから、お昼を食べてない分を食べようと二階へ下りようと椅子から立ち上がる時、机の上に置いてあるケータイが震えた。



相手を確認してすぐに電話に出る。




「もしもし風太?」




まさかの風太からの電話に少し緊張する。

あまり風太から電話をもらうことがないから。


まあ、家が隣同士だし言いたいことがあればすぐに言える距離だからってこともあるけど。




『勉強中?』

「今区切りついたとこ」

『じゃあ外出られる?』

「え?」

『下、いるから』



そう言われて窓から下を確認すると、私に気づいた風太がひらひらと手を振る。


胸がきゅーんとした気がする。





『一時間だけでいいから。あ、いや30分でもいいから』




いつになく控えめに頼む風太はなんだからしくなくてちょっと可笑しい。



「一時間、大丈夫、です」

『……そっか。じゃあ下りてきて』




急いで着替えて外へ、出た。