中学生の時は何回か一緒に帰ったことがあるけれど、その時とは心持ちが違うように思う。



今は何だかウキウキしてるけどこそばゆいような…





あと、視線がとても痛い。


中学の時は一緒に帰っても幼なじみだから、特別見られたりされなかったけど、高校は私と風太が幼なじみだということはあまり知られてないから、風太が女と歩いてるって見られてるのかもしれない。


………まあ今は幼なじみじゃなくて彼女として歩いてるんだけど。



けどやっぱ視線が痛い。

こんなに見られることなんて普段ないし、特に女子の鋭い視線がやばい。


私、明日死ぬのかもしれない。
女子達の手によって。





「……朱里?」



自分の世界に入っていたからか、黙っていた私を見かねて風太が私の顔を覗き込む。



その覗き込んだ顔がやっぱりカッコ良くて思わず目を反らしたくなる程。




「ごめん。ぼーっとしてた」




はははってごまかしてみる。



女子達が怖いなんて言えなかった。

なんとなく。


それに風太と付き合うって事はそういうことだから。
女子達の標的にされるのは。


モテる男ってムカつく。





「………大丈夫」

「?」



少し黙ってから突然口を開いた風太。




「あの子達には俺が上手く言い丸めておくから。安心して」





……気づいてたんだ。



あの子達はきっと私達を見ている女子達のことで。その女子達をなんとかしてくれると言ってくれたんだとと思う。


まさかそう言ってくれるとは思ってなくて心なしか頬が緩んだ気がする。

私今日頬緩み過ぎかもしれない。



――――そうだった、風太は喋りが上手い。
なら、本当に安心出来るかもしれない。



「うん」




ありがとうと付け足した。