次の日、目が覚めてもいまいち風太と付き合うことが実感出来なくて、授業中も昨日の事が夢じゃないかと悶々として授業内容は入ってこなかった。


なにやってるんだろ私。
受験前なのに。


たとえ、本当に風太と付き合ってても受験があることには変わりはないから頑張らないといけないのにね。





「はぁ。切り替えよう」




帰りのSHLが終わり、塾に向かおうと教室から出る。



けどすぐに立ち止まってしまった。


いや、立ち止まらずにはいられなかった。




だって、私のクラスの前に風太が立って待っていたから。




「ふ、風太?」




おずおずと呼んでみる。


私に用があるかどうかは分からなかったけど、現実ならば昨日の今日なのでスルーするわけにもいかない。




「朱里遅い」

「え?」




壁に寄りかかって待っていた風太は、見ていたケータイから視線を私に移す。


ただ目が合っただけなのにドキドキする。

その度に、やっぱ好きだと実感する。