私は何もかける言葉が無かった。
というより、なんて言っていいのか分からない。
好きな人が好きな人の事で落ち込んでいるのに。
なかなかサボらない風太が学校を休んでまで落ち込んでいたのに。
こんな時、なんて言うのがいいのだろう……
「風太……」
ただ空をじっと見てる風太の横顔を見る。
その横顔にキュンとしてしまった私の心はきっと場違い。
不謹慎だって分かってるのにドキドキは止まらない。
こんな時までドキドキするなんてバカだな、自分は。
「風太…」
二回目の呼びかけにやっと気づいた風太はん?と顔を私に向ける。
本当に不謹慎だけど、風太と鵜野山先生が別れて少し嬉しい自分もいる。
本当にごめん。
数秒、風太と視線が合う。
その間もドキドキ、と鼓動が止まらない。
暗くて良かったけど、今の私はきっと顔は真っ赤だ。
昼間じゃなくて本当良かった。
「あのさ……
付き合っちゃう?」

