「………」
「………」
お互い沈黙が続く。
風太と出会ってからこんなに沈黙が続いたのは初めてかもしれない。
今思えば必ず風太が話を振ってくれたりしてくれたからだと思う。
どうしよう。私帰った方がいいのかな?
でも帰って、とも言われてないし…
沈黙を打開しようと何となく風太にとって良さそうな話を振ってみる。
「……鵜野山先生ってさ、本当に綺麗だよね」
私は正直思い出したくない人だけど…
一応風太の彼女だし。
けど風太は嬉しそうにノってくれるかと思ったら案外冷静な態度で
「ああ」
そう呟く程度に答えた。
ちゃんと聞いてなければ聞こえないような小さな声で。
その声に少し違和感を覚える。
だってさっきの声と違って元気が無かったから。
でも、顔は空を向いたままで少しも動かないようにも見える。
「…………でも悲しい人だよ」
小さな声のまま、風太はそう言った。

